2026.3.28

高性能住宅

窓の大きさと断熱性能のジレンマを解決する方法

窓の大きさと断熱性能のジレンマを解決する方法

窓の大きさと断熱性能のジレンマを解決する方法

「リビングには、庭を眺められる大きな窓が欲しいんです」

宇都宮市で新築注文住宅の打ち合わせをしていると、そんな切実な願いをよく伺います。明るい光が差し込み、外とのつながりを感じられる空間は、やはり家づくりの醍醐味ですよね。

一方で、最近は「冬の寒さが心配だから、窓は小さくした方がいいのでしょうか?」と、性能を気にして迷われる方も増えてきました。開放感と温かさ。この一見すると矛盾するような願いを、どう整理していけばいいのでしょうか。

窓は「熱の出入り口」という現実

家づくりにおいて、窓はもっとも熱が逃げやすく、また入りやすい場所です。冬、暖房で暖めた熱の半分以上が窓から逃げていくとも言われています。

そのため、宇都宮市で高性能住宅を検討されている方のなかには、「断熱性能(熱を逃がさない力)を上げるために、窓を極力減らそう」と考える方もいらっしゃいます。確かに数値上の性能は上がりますが、窓を小さくしすぎて、日中でも照明が必要なほど暗い部屋になってしまっては、せっかくの新しい暮らしが少し寂しいものになってしまうかもしれません。

数値も大切ですが、私たちが一番守りたいのは、そこに住む方の「心地よい日常」です。

宇都宮の太陽を味方につける

宇都宮市の冬は、冷え込みは厳しいものの、晴天の日が多いのが特徴です。この「お日様の光」をどう取り入れるかが、ジレンマを解決する鍵になります。

南側に大きな窓を配置すれば、冬場は太陽の熱が天然のヒーターになって室内を暖めてくれます。この時、重要になるのが窓自体の質です。例えば「樹脂フレーム」や「トリプルガラス(3枚のガラスを重ねたもの)」といった、熱を伝えにくい素材を適材適所で選ぶことで、大きな窓を楽しみながら、足元の冷え込みを抑えることができます。

「窓を大きくするなら、その分、熱を通しにくいものを選ぶ」 このシンプルなバランスが、宇都宮の冬を豊かにしてくれます。

夏の「日差し」をどう遮るか

ただ、冬に暖かい大きな窓は、そのままでは夏に暑すぎるという問題も抱えています。特に湿度の高い宇都宮の夏、直射日光が部屋の奥まで入ってしまうと、エアコンの効きが悪くなってしまいます。

ここで大切になるのが、建物の外側での工夫です。

  • 深い軒(のき:屋根の出っ張り)を出して、高い位置にある夏の光を遮る

  • 外付けブラインドを活用する

これらは「パッシブデザイン」と呼ばれる、自然の力を上手にコントロールする考え方です。機械に頼り切るのではなく、設計の工夫で「夏は涼しく、冬は温かい」窓辺をつくることができます。

数値の先にある「心地よさ」を一緒に

「この場所に窓があったら、季節の移ろいを感じられるかな」 「朝、ここでコーヒーを飲んだら気持ちよさそう」

家づくりにおいて、窓選びは「景色」と「熱」のやり取りです。どちらか一方が正解というわけではなく、その土地の光の入り方や、ご家族がその場所でどう過ごしたいかによって、答えは一軒一軒異なります。

断熱性能という「守り」の数値はしっかり確保したうえで、どんな風に光を取り入れるかという「攻め」の設計を楽しむ。そんな風に、ジレンマをワクワクする検討の時間に変えていけたら素敵だなと思っています。

大切なのは、10年後も20年後も、その窓辺がお気に入りの場所であり続けること。 そんな住まいのあり方を、これからも一緒に考えていければ幸いです。

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